試乗車のボディカラーは、「グラフェイテグレー」です。



以前、並行輸入車で、このグラフェイテグレーの実車を、一度見たことはありますが、正規輸入車としては、今回見るのが初めてです。
個人的には、この色は結構イイと思います。
ピカピカに艶出しコーディングして、もう少し硬質感を出せれば、さらにカッコよくなると思います。
今回導入されたAlfa TCTを積むMiToは、ベースグレード的な「スプリント」と、パドルシフトや17インチホイール(スプリントは16インチ)が奢られた「コンペティツィオーネ」の2種類。
(動力的なスペックは、どちらも同じ)
今日の試乗車は、「コンペティツィオーネ」のほうでした。
ちなみに、このTCTを積んだMiToは、エンジンも、1.4リッターのマルチエアに進化しており、アイドリングストップ機構もついています。
てなわけで、コクピットに乗り込み、まずは、シートを確認。

この試乗車のシートは、標準仕様の、黒と赤のコンビのスポーツファブリックでしたが、デザインがカッコいいだけでなく、座り心地に関して、硬めでありつつもしっかりと体にフィットして、かなりイイ感じです。
無理にレザーにしなくても十分だと思いました。
そして、エンジン始動。
当方、147GTAに慣れてしまったこともあり、このMiToのエンジン始動は、ジェントル極まりなく感じます(^^;


(↑なぜか日付が1月11日に(^^; )
さぁ、いよいよ、Alfa TCTを試すときが来ました!
アクセルを踏み込み、加速していったところ・・・
噂どおり、ウルトラスムーズです☆
いわゆる普通のトルコンATを運転している感覚です。
159やブレラ等のうち、大排気量モデルでは、以前からトルコンAT(Qトロニック)が存在するものの、やはりアルファロメオの2ペダルと言えば、誰しも真っ先にセレスピードを挙げることと思います。
最近のセレスピードは、以前に比べ、かなりスムーズな動きをするようになっていますが、それでも、セレスピード独特の空走感は無くなっていません。
今回のMiToのTCTは、ツインクラッチの先輩であるVWのDSG等と同じように、シフトチェンジが瞬時に決まり、ショックもほとんど無く、本当にスムーズです。

ただ、ゴルフのDSG等に比べると、MiToの場合は、エンジンフィーリングが荒々しいので、運転全般のフィーリングということでいえば、ゴルフ等、VW車のほうが、よりスムーズに感じました。
逆にMiToの場合は、TCT自体の動きはウルトラスムーズでも、そこは、アルファロメオですから、ドライビングの刺激度については、MiToのほうが圧倒的に迫力があります。
特にアルファD.N.A.システムを「ダイナミック・モード」にすれば、従来のMiTo同様、とても、1.4リッタークラスのクルマとは思えないような、レーシーな感覚を味わえます。
ですので、「とにかく全ての面でスムーズさを求める」人は、ゴルフやポロを選んでおくのが無難でしょう。
今回のこのMiToコンペティツィオーネは、17インチを履いているものの、乗り心地が非常に良かったです。
マルチエア以前のMiToは、もうちょっと硬めだったような気がしますし、加えて、18インチを履いたMiToイモラなどは、かなり硬めであり、助手席等の同乗者はちょっと辛いかな、というような印象を持ちましたが、今日試乗したMiToコンペティツィオーネは、スポーティでありながら、快適な乗り味でした。
マルチエア・エンジンについては、先般、クアドリフォリオ ヴェルデで体験していましたが、従来のマルチエアではないほうの1.4ターボエンジンに比べると、クアドリフォリオ ヴェルデも、今日のコンペティツィオーネも、若干、官能度は落ちたかな、という印象です。
まぁ、この辺りは、どのメーカーのエンジンでも、一般的にエコ度が上がれば上がるほど、官能性は低くなっている印象がしますので、致し方ないですね。
それでも、このマルチエアは、他メーカーの1.4リッタークラスのエンジンでは到底味わえないような刺激に満ちたエンジンであることは確かです。
ということで、マルチエアとTCTを積んだ、新世代MiTo。
MTはNGな人でも、普通のスムーズなオートマ車感覚で、その気になれば、MiToの刺激に満ちたドライビングを味わうことができるようになったことは、素直に評価したいと思います☆
今まで、MiToに興味を持っていても、MTであることがネックだった人には、諸手を挙げてオススメできます☆
では、個人的にはどうかと言うと・・・
改めてセレスピードの良さを実感したというか。。。
というのも、確かにセレスピードのシフトチェンジの違和感(空走感)は、その点だけ見れば、確かに気持ちのいいものでは無いかもしれませんが、アクセルワーク次第で、それはほとんと軽減できますし、なんといっても、セレスピードをマニュアルモードで運転すれば、それは本当に、「クラッチペダルが無いだけのMT」と言い切っていいくらいであり、自分自身でクラッチペダルを踏んでギコギコ、シフトチェンジする感覚に最も近い感覚を味わうことができた、今日、試乗したTCTとは、別次元の楽しさを持ったシステムでした。
約1年間所有した159TIや、何度も試乗した147のセレモデルは、今思えば、2ペダルのクルマの中では、シフトチェンジが最も楽しいクルマであったことは確かです。
以前、初めてアウディでSトロニック(VWで言うところのDSG)を積んだTTクーペに試乗したとき、そのシフトチェンジが、あまりにも、スムーズ且つ素早くって、「まるでコンピュータゲームのようだ」と感じました。
TCTについても、その点は、同じ印象ですから、今回、MiToが、ウルトラスムーズなTCTになったことで、妙な寂しさを感じます・・・
エンジンについては、以前のアルファV6やツインスパークが姿を消し、そして今度は、トランスミッションに関して、セレスピードが姿を消しつつあるこの状況で、どうやって、アルファらしさを維持(もしくは強化)していくか、一番悩んでいるのは、他でもない、アルファロメオ自身かと思いますが、もっと昔のアルファロメオには、ツインスパークも無ければ、セレスピードも無かったわけですから、そういう意味では、その「世代世代」で、アルファらしさをどう表現していくか、ということであり、ちょうど今は、その「世代」が変わっていく、過渡期なのでしょうね。。
いずれにせよ、ドライビングが好きな人にとって、運転とは「五感」をフルに使って行うものだと思いますから、「デザイン」だけではなく、エンジンサウンドやハンドリング等、「五感」の全ての要素において、アルファロメオには、これからもクルマ業界をリードしていってもらいたいと思っています☆
・・・と、最後はちょっとデカい話になってしまいましたが(^^;、MiToのTCTモデル。
私のようなMT病に侵された人でなければ(^^;、運転好きな老若男女、全ての方々にオススメできる、良いクルマに仕上がっていると思いました☆
・MiTo スプリント 278万円
・MiTo コンペティツィオーネ 292万円
不思議なものです、あれほど違和感を感じていたのに今になってセレスピードの良さを感じるとは
MT好きならセレもありだと思います。
やはり、2ペダルしか選択肢が無い場合は、セレスピードの存在は偉大でしたね。
今後は、フィアット車も、TCT化されていくんですかね・・・?