今年に入ってから、CR-Z、フィット・ハイブリッド、フーガ・ハイブリッドと、ハイブリッド車に立て続けに試乗しておりますが、今日はいよいよ、日本初の量産EV、i-MiEVに試乗することになりました。
早速、試乗車とご対面。
我が家のスマートとそっくりさんのお顔を持った、三菱の軽自動車i(アイ)と、カラーリングを除けば、見た目は、全く一緒と言っていいですね。




全高だけわずかに1cm、i(アイ)よりもi-MiEVのほうが高いそうです。
エクステリアについては、厳密に言えば、i(アイ)のほうは、当然、ガソリン給油口が1箇所あるだけですが、このi-MiEVについては、普通充電口と急速充電口がそれぞれ車両の右サイドと左サイドについています。


(左が普通充電口、右が急速充電口)
普通充電については、家庭用のAC200Vもしくは100Vが使え、フル充電までの時間はそれぞれ7時間もしくは14時間となっています。
急速充電だと、約30分で80%の充電が可能だそうです。
そして、フル充電時の10・15モードの燃費は160kmとなっています(^^;
さて、内装についても、室内の広さも含め、基本的にi(アイ)と全く同じと言っていいそうです(実は、i(アイ)にはまだ乗ったことがないので、内装を見るのは今日が初めてでした)。
ただ、メーター類と、シフト周りは異なります。

メーターは、「放電」と「充電」の状態を表示するようになっています。

また、シフトについては、Dポジション(トルク強)、Ecoポジション(いわゆる「エコモード」)、そしてBポジション(回生ブレーキ機能最大)の3ポジションから成ります。

エアコンはマニュアル式であり、エアコンのON/OFFによって、瞬時に、メーターの航続可能距離の値が変化するのが確認できました。
ということで、いよいよ、人生初の量産型電気自動車の試乗開始です。
まず、通常のイグニッションスイッチと変わらない、スイッチをひねり、エンジン始動。
わずかに起動したことが分かる程度で、ほとんど無音です。
シフトは、Ecoモードではなく、敢えて、最初からトルクフルなDモードに入れて、アクセルを踏みました。
すると・・・
ほぼK.O.されました(^^;
なんですか、この力強いトルクとスムーズさは!!
スペック上、馬力こそ、ターボモデルのi(アイ)と同じ64psであるものの、トルクに関しては、約2倍。NAモデルのi(アイ)に比べると、実に約3倍強の仕様となっていますが、確かに、これは、軽自動車のトルクとは思えない、刺激的な加速です。
そして、何より、異次元の楽しさだったのが、ウィーンというような、まさに電車が走るような音色とともに、変速ショックを全く感じない、アクセルの踏み加減と、加速感が、完全にシンクロしたような、従来のクルマでは味わったことのない、未来的な感覚でした。
モータの高トルク化と高回転化によりトランスミッションは非搭載とのことですが、宙に浮いたように、継ぎ目なく、どこまでもスーーーッと加速していくこの感覚は、ちょっとクセになるかもしれません(^^;
きっと私のように、ターボではなく「NA派」の人には、この感覚がより分かっていただけるのではないかと思います。
駆動方式がMRという点も、気持ちイイ走りに貢献しているのでしょうね。
今日は、正直、私の中で「ハイブリッド」という選択が消えた日かもしれません。
それほど、i-MiEVの乗り味は、印象的でした。
今まで、「電気自動車でドライビングプレジャーなど味わえるはずもない」、と高をくくっていましたが、考えを改めさせられました(^^;
これだけ滑らか且つトルクフルな走りができると、まさに、SF映画に出てくる乗り物を、そのまま自分で操っている感覚があります。
これなら、下手に、ガソリンとモーターを組み合わせたハイブリッドよりも、きっぱりと100%電気で走る、i-MiEVのようなEVを選んだほうが、割り切った楽しさが味わえると思いました。
これで、ギミックでいいから、もう少し、未来的な「走行音」でも聞こえるようにしてくれたら、本当に、内燃機関に代わり得る、ドライビングプレジャーが味わえるかもしれない、と思ってしまった自分がいます(^^;
先日フーガ・ハイブリッドに試乗したときの日産の営業員さんが言ってましたが、来月発売されるリーフも、かなり刺激的な加速を見せてくれるとのことでした。
楽しみですね。
今後は、「車両価格」「走行可能距離」「充電インフラの充実化」の3つの問題がいかに解消するかで、EVが世の中に浸透するスピードが変わってくると思います。
i-MiEVの車両本体価格が398万円。
補助金等を使っても、実質300万円ほどします。
これでは、我々のような一般庶民には、手軽に購入、という訳にはいかないですね。
それと、走行可能距離についても、i-MiEVの10・15モードは160kmですけど、実質は100km程度といったところでしょうか。
仮にスペックどおり、まるまる160km走ったとしても、遠出はできませんね。
ということは、当面は、近場の通勤や買い物等に使う、足クルマ的な使い方になってしまいます。
そして、充電インフラについても、まだまだこれからといった感があります。
急速充電ができるスポットがたくさんできてくれないことには、やはり、遠出は怖いですね。
あと、エクステリアデザインについても、テスラみたいなぱっつんぱっつんなデザインまでいかないにしても、もっとスポーティな形のEVがどんどん出てくれたらいいと思います。
ちなみに、i-MiEVのOEMである、プジョーのiOn、シトロエンのC-ZEROについて、i-MiEVとの価格差が20〜30万円程度以内に納まるなら、iOnやC-ZEROを選んじゃう可能性が高そうです(^^;
ということで、一般庶民が手を出すには、もう少し時間がかかりそうな電気自動車ですが、でも、確実に、遅かれ早かれ、将来、誰でもEVに乗れる(というか、EVばっかりになる?)日がいずれ来るのだろうな、と今日i-MiEVに乗って確信した次第です。
追伸:
「電気自動車体感中!」とデカデカと書かれた試乗車で試乗するのは、かなり恥ずかしかったですが・・(^^;
