1年ちょっと前に試乗した、メガーヌRSの弟車にあたるルーテシアRSは、自動車評論家にはめっぽう評価が高く、私も、試乗車オブ・ザ・イヤーの2009年の年間2位に挙げましたが、正直、ワタシ的には、「もう少し刺激があってもいいんじゃない?」という印象のクルマでした。
それは、例えば、地味めのエクステリア・デザインや、同じく地味めのインテリア・デザイン、あるいは、足回りがキモチ柔らか過ぎに感じたり・・・といったところであり、個人的には、「ルノースポール」を名乗るならば、もう少し、刺激度をアップさせた作りにしても良かったんじゃないか、と思っていました。
そして、今回、そのルーテシアRSのお兄さん的モデルにあたる、メガーヌRSに試乗することができました。
まず結論から。
このクルマ、凄いです☆
弟分のルーテシアRSで感じた、上記の物足りなさを、完全に払拭してくれています!
ルーテシアと同様、正面から見たお顔のデザインは、「カッコいい」とは言えませんが、その他、サイドやリアのデザインについては、十分カッコいいと思いますし、特にリア周りのそれは、まさにガンダム的な「メカ!」という感じの迫力満点のデザインです。
センター一本だしのマフラーの迫力も、かなりキテます。
また、インテリア・デザインについても、ルーテシアで感じた物足りなさは、ありません。
やる気満々のレカロのバケットシートですが、見た目の印象よりは座り心地は悪くなく、メーター周りも、「やり過ぎ」とまではいかない、派手さをギリギリに抑えた、絶妙な刺激度になっており、好感が持てます。
それと、ガラス開口部が少なく、この圧迫感は、まさにコクピットという感じがします(その分、同乗者はちょっと辛いと思いますが)。
しかし、何が凄いって、やはり、その「走り」です。
奇しくも、このメガーヌRSは、2リッターでありながら、当方の3.2リッターである147GTAと全く同じ250馬力を叩き出しているのですが、加速感は、明らかに、メガーヌRSのほうが上に感じました。
後で調べてみたところ、トルクに関しては、147GTAが30.6kgm/4800rpmであるのに対し、メガーヌRSは、34.7kgm/3000rpmと、より低回転でより大きなトルクを発生しており、車重に関しても、147GTAが1,390kgであるのに対しメガーヌRSが1,430kgと40kgしか違いませんから、やはり、メガーヌRSのほうが、加速感が上に感じて当然なのでしょう。
しかも、このメガーヌRSはターボラグもほとんど感じず、気持ちの良い吹け上がりをしてくれますし、エンジン+エグゾーストのサウンドも、かなり良い音してます。
個人的な感覚では、サウンドの良さは、同じ2リッターで比較すると、
VW&アウディのTFSI < メガーヌRS < アルファのツインスパーク
という印象です。
また、ハンドリングも素晴らしいです。
LSDも装着されており、ちょっとやそっとでは、ビクともしないような、強固なボディという印象がしますが、かといって、乗り味は、硬すぎる、ということもなく、ファミリーカーとしても耐えうるセッティングになっていると思います。
R.S.モニターのような仕掛けも、非常に「やる気」にさせてくれますし、コクピットの包まれ感についても、例えば、私の147GTAに比べ、遥かに、「圧迫感」があります。
ということで、一言で言って、とにかく「This is レーシングマシン!」という印象のクルマでした。
以前試乗した、先代のメガーヌRSから価格6万円しかアップしていないものの、先代とは比べ物にならない、凄いクルマに仕上がっていると思います。
欠点らしい欠点といえば、上記のとおり、正面のデザインがイマイチであることと、全幅が1,850mmもあることくらいで、どちらも、欠点というよりは、単に、個人的な好き嫌いによるところが大きいです。
そして、なんといっても、「左ハンドル+MT」の組み合わせであることも、個人的には、たまりません☆
クルマ全体の「質感」も今までのルノー車に感じられたような「チープ感」は、ほとんど感じず、完全に「現代のクルマ」という印象がしました。
似たようなクルマとして、最初に思い浮かぶのは、同じく2リッターターボエンジンを積み、最大出力256馬力を叩き出す、アウディのS3です。
スペック的にかなり似通ったクルマかと思いますが、それぞれ試乗した印象では、メガーヌRSは、S3より価格が高くても、全然違和感がない、それほど凄いクルマでした。
しかし、価格は、S3が535万円であるのに対し、メガーヌRSは385万円。その差、ジャスト150万円!
申し訳ないですが、個人的には、この2台に、150万円もの差があるとは、とてもとても感じられませんでした。
メガーヌRSが安すぎるのか、S3が高すぎるのか(^^;
まぁ、メガーヌRSを褒め過ぎましたので(^^;、もう一つ難点的なことを言えば、メガーヌRSは、かなり疲れます(^^;
慣れればマシにはなるのでしょうが、それでも、普段147GTAに乗っている私が乗っても、かなり疲れました。
自分の腕では、ちょっと扱いきれないかな、という印象です。。
猛烈な加速感とコクピットの包まれ感、そして横幅のデカさ等が特に大きく影響しているかと思います。また、クラッチミートのタイミングが、一般的なMT車よりも難しいと思います(恥ずかしながら、試乗中、一度だけエンストさせてしまったのですが、その後、車庫入れの際、ルノーの営業さんもエンストさせてました(^^; )。
とにかく、レーシングマシンに乗っているという印象が強いので、後席は、身長170cmの私でもギリギリ普通に座れるものの、ファミリーカーとして使うには、ちょっとやり過ぎ感が強く、147GTA以上に、辛いと思います。
147GTAの場合は、スピードを出さなくとも、1速や2速で、ちょっとアクセルを踏み込んだだけで、極上サウンドが得られるので、そこが個人的には気に入っているのですが、メガーヌRSは、いやでも「スピードを出さなきゃ気が済まない」みたいな感覚になってしまうクルマでした(この感覚はホンダのS2000に近いかも)。
あくまでも、ドライバー専用マシンで、たまに人を乗せる程度、という使い方が適しているかな、と思います。
というより、レース経験の無い私でも、このメガーヌRSは、サーキットを走らせないと勿体ない!と感じました。
その点、S3は、あれだけ過激なスペックでも、ファミリーカーとして耐え得る感じはしました。
いずれにせよ、総合的なドライビングプレジャーという観点でいくと、これがS3よりも150万円も安く買えるなんて、凄いと思います。
メガーヌRS。まさに、ルノースポールの"真打ち"登場という印象です。
ルノーさん、良いクルマ作りますね☆
(↓ こちらは展示車)
(↑ 展示車はノーマルの18インチ(試乗車はオプションの19インチでした))
追伸:
メガーヌRSが、とにかく「凄いクルマ」という印象だったので、自分の147GTAが、つまらなく感じてしまうのでは、と、ちょっと心配でしたが、自宅に戻り、147GTAを走らせてみたところ、、、さすがに、アルファV6の極上サウンドをあらためて少し聴いてみただけで、やっぱりこのサウンドは別次元だな、と少々安心した次第です(^^;
2011年02月27日
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若くて腕があれば挑戦してみたい気が。
ですね〜、ちょっと限界超えてました(^^;
ルーテシアRSとメガーヌRSの中間があれば個人的にはベストなんですが(^^;