昨年は、純粋にディーラーさんやクルマ屋さんへお邪魔しての試乗は、「アルト ワークス」の1回のみ。
というか、昨年だけでなく直近5年以上は、「年1回」ペースであり、特に2016年に至ってはなんと「1度も試乗せず」でした。
そんなわけで、今年も試乗回数に大きな変化はないと思いますが、昨年から「一度は試乗したい」と思っているクルマが僅かなら数台ありまして、そのうちの1台に試乗することが本日実現しました。
そのクルマがこちら。「コペン GR スポーツ」です。
この「コペン GR スポーツ」。ダイハツに加え、トヨタの「GR Garage」でも販売されているようですが、車検証上はダイハツ車ではなく「トヨタ車」として登録されるそうです。
ちなみに今日は、ダイハツ・ディーラーさんで試乗させていただきました。
今からもう13年も前のことになりますが、当方、「初代コペン」を所有しておりました。
当時、私はこの「初代コペン」を本当に気に入っていて、「初代コペン」に対する愛着は今でも変わっていません。
デザイン、走り、オープンカーとしての出来、4気筒エンジン、所有満足度、価格、等々、ほぼ全てに渡って素晴らしいクルマだったと思います。
そんな「初代コペン」がフルモデルチェンジして、現行の「二代目」になった時、正直に言えば、その「二代目」のデザインを見て、それはそれはがっかりしました(^^;
「初代」の、可愛くて、けど可愛過ぎず、上品でそれでいてスポーティな、あのお洒落な面影はどこに行ってしまったんでしょうか・・・という二代目(現行の「ローブ(Robe)」ですね)のデザインはどうしても好きになれず、同じ「軽自動車」の現行モデルで比較すれば、ホンダのS660のほうが圧倒的にカッコいい、という印象でした。
ただ、ダイハツもさすがに「初代」からデザインを変え過ぎたことにヤバいと思ったのか?(^^;、、「初代」を彷彿とさせる”丸目”の「セロ(Cero)」を後から出しましたが、「セロ」のデザインに関しては、「初代」には負けるものの、私も比較的良いイメージを持っています。
そんな「二代目コペン」に関し、昨年10月「GR スポーツ」モデルが追加されました。
「ローブ」をベースしたデザインなのがちょっと残念ですが、それでも「ローブ」よりは特にフロント周りがカッコよくなったと思いますし、何より、トヨタの「GR」と手を組んだということが「面白そう」と思えましたので、どんな「ドライビング」のクルマなのか、少なからず興味を抱いておりました。
そして今日、試乗が実現しました。
トランスミッションはもちろん「5MT」のモデルです。
(オートマ・モデルだと、「初代」の時と違って、このGR スポーツは「CVT」になってしまったのが残念ですね・・)

で、試乗した感想ですが、「楽しくて、且つ、良くできたクルマ」という印象の乗り味でした。
私が以前所有していた「初代」も素晴らしかったですが、クルマの剛性感にやや「薄っぺらさ」を感じていたものの、この「GR スポーツ」は、「初代」に比べ、大きく剛性が向上しているということを実感しました。
というか、そもそも、以前、ノーマルの「ローブ」に試乗した時も、「初代」より剛性が上がったことを実感しましたが、今回のGR スポーツは、さらに磨きをかけた印象です。
それと、この「GR スポーツ」で非常に好印象だったのが「足回り」です。
ベタな表現ではありますが、とにかく「しなやかでスポーティ」という印象であり、乗り心地がいいのにスポーティに走れるという、絶妙な味付けだと感じました。
くわえて、「エンジンサウンドと排気サウンド」の組み合わせも、軽自動車であることを踏まえれば、抜群に楽しい部類だと思いました。試乗したのが5年前なので記憶が薄れているものの、S660よりも間違いなく刺激的だと思います。
ちなみに、ダイハツ・ディーラーの営業さんのお話によると、「排気系」に関して、この「GR スポーツ」は、ノーマルのコペンから、特に変えてないのではないか、とのことでしたので、だとしたら、この楽しくて刺激的なサウンドは、ノーマルのコペンでも味わえる、ということですね。
以前、「ローブ」には2回試乗しているのですが、なんとなく、今回試乗した「GR スポーツ」のほうが刺激的のような気がするのですが、私の勘違いでしょうかね・・(^^;
この「エンジン+排気サウンド」が非常に刺激的で、特にそれはシフトが「2速」に入っている時が最高に素晴らしいので、試乗中は、かなりの時間を「2速」で走り続けました(笑)
それと、レカロのシートも好印象でした。
ドライビングポジション自体が、二代目のコペンは、「初代」に比べ高くなってしまったのがちょっと残念ですが、それでもこのレカロシートのフィット感が素晴らしいので、運転中、シートの存在を忘れて走ることができました。
ちなみに今回の試乗は、約10分強の試乗コースを2周走らせてもらい、最初は「幌」を閉じた状態、2周目は「オープン」にして走らせました。
当然のことながら、「オープン」で走らせたほうが断然楽しかったです。
逆に、ちょっと残念だったのは、ブレーキ、および、クラッチ&シフトのフィーリングです。
ブレーキについては、この「GR スポーツ」という名を名乗るスポーツモデルということを踏まえれば、あと1段階、いや2段階くらい、制動力を高めたほうがいいと思いました。
現在私が乗っているクルマが「MINI JCW GP2」なので、比べるのは可哀想かもしれませんが、、にしても、ちょっとブレーキの”効き”が甘すぎると思いました。
それと、これも私のMINIと比べるのは可哀想だと思いつつも、クラッチ&シフトのフィーリングの安っぽさは否めません。
まぁ、その点を「軽自動車」に求めるのは酷でしょうけど、これまたもう一段階、質感の高いフィーリングが味わえるとイイと思いました。(少なくとも「シフト・フィール」はこの「GR スポーツ」より「S660」のほうが良かったと記憶しています)
で、トータルとしてのドライビングの面白さですが、記憶がかなり薄れてはきたものの「S660」よりも「運転の面白さ」は上だという印象です。
まぁ、価格もS660よりも高いので、当然といえば当然かもしれませんが、さすが「GR」が手を加えた甲斐はあると思います。
ただ、理屈抜きでの「運転の面白さ」という点では、昨年10月に試乗した「アルト ワークス 」のほうが、個人的には「上」でした。
とにもかくにも「アルト ワークス 」は、動きが俊敏で、エンジン+排気サウンドの迫力もあり、まさに自分の手足となって動くスポーツカー、という印象でした。運転して最初に出てくる言葉が「面白い!!」の一言でした。(ちなみに、アルトワークスは、コペン GR スポーツより、100万円近く安い)
それに比べると、今回の「コペン GR スポーツ」は、運転し終えて最初に出てきた言葉は「良いクルマだね!」という感じでして、「面白いね!」というのは、その次に出てくる言葉、という印象です。
これはもう、どっちが「良いか悪いか」ではなく、、とにかく刺激的で面白いクルマのほうがいい、というならば、「アルト ワークス 」を選んでおけば失敗しないと思いますし、、「面白いだけでなく、上質感や”オープン”の楽しさ、あるいは所有満足度の高さ」みたいなところまで求めるのならば「コペン GR スポーツ」ということになるかと思います。
あとは、この「GR スポーツ」の値段が「240万超え(MTモデル)」であることを許せるかどうか、ですね。
しかも、コペンの場合、ATモデルよりもMTモデルのほうが値段が高いんですよね(^^;
この「GR スポーツ(MTモデル)」に17万円足すと、ロードスターの素グレード(約260万円)が買えちゃうんですよね。。
これは悩ましいです(笑)
ということで、「お値段」を考えると、かなり悩ましさはあるものの、その分、「軽自動車」としては、文句なくトップクラスの運転の面白さや所有満足度を持ったクルマであることは、今日の試乗で垣間見れた気がします。