今日は、
2月26日に日本デビューしたばかりの、BMW135i
クーペに試乗して参りました。
以前、私が
120iに乗っている頃、当時のBMWディーラーの営業さんに「将来135は出ますかね?」と尋ねたところ、「
いやぁ、出ないでしょう」という答えが返ってきたのですが、その時からまだ1年半も経っていないというのに、もう135が出てしまいました(笑)。まぁ、世の中、そんなもんでしょう。
この135iは、ハッチバックの1シリーズをクーペボディにし、エンジンは、ご存知のとおり335iに積まれている直噴3リッターツインターボが乗っかっています。
335iだって、一般ピープルには、完全にオーバースペックなクルマだと思いますが、その335iよりも
90kg軽い135iですから、想像するまでもなく、その獰猛性は明らかでしょう(^^;
ただBMWがさすがだと思うのは、この135について、きちんと
MTモデルも導入しているところです。
その辺りは、TTのようなスポーツモデルですらMTモデルを導入しない
アウディに比べると、「BMWはドライビングというものを大切にしている」あるいは「日本のことを考えてくれている」と感じます。
さて、今日ご対面した試乗車は、幸運にも、トランスミッションがATではなく
MTでした☆
135のようなクルマは、
MTで乗ってこそナンボなクルマだと思うので、ラッキーでした。
エクステリア・デザインについては、正直、1シリーズは、ハッチバックでこそ1シリーズ!って感じで、個人的にはハッチバックの方が断然カッコいいかな、という印象があります。
というのも、VWの
ゴルフと
ジェッタ、マツダのアクセラの
ハッチバックと
セダン、あるいは、日産の
ティーダと
ラティオの関係からも分かるように、ハッチバックと同居してるセダンって、どうしても中途半端な印象があり、お世辞にもハッチバックバージョンよりカッコいいとは言えないと思います。
これらハッチバックモデルと共存するセダンに対して共通する印象は、
クルマの全高に対して全長のバランスが取れておらず、流麗に見えないということです。
同じように、この135についても、セダンではなくクーペではありますが、基本的に、上記の組み合わせと同じように、デザイン的に、ハッチバックの1シリーズに、無理に後ろをとってつけたような中途半端な感じがします。
同じクーペでも、やはり3シリーズのクーペなんかと比べると、明らかに3シリーズのほうが流麗でカッコいいですね。
あるいは、昨日アウディ
A5を見てしまったことも影響していると思います。
やはり、アウディの圧倒的なクールなカッコ良さを見てしまうと、この135も、ちょっと霞んでしまうかもしれません。。。
(135と比べるなら、A5ではなく、A3でしょ、と言われてしまうかもしれませんが(^^; )
ということで、エクステリア・デザインについては、個人的には「まぁまぁ」という感じでした。


一方、
インテリア・デザインについては、以前、120に乗っていたので、個人的には違和感はほとんどありませんでした。
エクステリア同様、アウディの圧倒的な質感の高さやセンスの良さに比べると、この1シリーズのインテリアは、かなりフツウっぽいですが、かといって、もちろんダサい、というわけではなく、フツウっぽいとはいえ、日本車のインテリアと比べると、やはりセンスの良さは感じます。

(↑試乗車のオドメーターの数字は、一桁でした(^^; )
そして、120と同様の、懐かしのスタートボタンを押し、エンジン始動。
その瞬間、野太いアイドリング音が聞こえてきました。
音質的には、130iをさらに野太くした感じです。
そして、MTシフトレバーを1速に入れ、いざ発進。

同乗した営業さんのお言葉に甘え、いきなり、ちょっと強めにアクセルを踏んでみたところ・・・
K.O.されました(^^;
やはりBMWの、ターボとはいえ、
直6のサウンドは、何度聴いても官能的ですね。
痺れます☆
(厳密には同じ直6でも、NAの方が音質はキレイだと思いますが)
Z4Mロードスターあたりと比べると、さすがにちょっと劣りますが、それでも、このサウンドは、やっぱりBMWでなければ作れないサウンドだと思いました。
やはり、アルファロメオとともにBMWのエンジンの官能性の素晴らしさは、突出していると、改めて思いました。
※ちなみに、誤解を招かないように補足しますと、
K.O.されたのは、あくまでも、「
エンジンフィーリング」という点だけを捉えたものです。
そして、
加速性能については、恐ろしいほど速いです(^^;
これはもう、ネーミングこそ「135」ですが、実質的には完全に「M1」と言っていいのではないでしょうか。
0-100kmは5.3秒。一般的な「腕」の人に扱えるレベルではありません(^^;
先日試乗したIS-F同様、今日の試乗でも、あまりにも速すぎて、4速には一度も入れずに終わりました(^^;
ハンドリングについては、おそらく私が以前乗っていた120に比べると、かなりフロントヘビーなはずですが、何と比べるかにもよりますが、この135のハンドリングは、私的には一般道を走る限り、十分楽しめました。
おそらく、
峠を走ると、120との差が、顕著に現れてしまうのかもしれません。
ということで、本日試乗した135iですが、私にとって、かなりの
オーバースペックなクルマであることは間違いないですが、今までのこの類のオーバースペックなクルマなら、「単に、速いだけでしょ」という印象で終わるのがほとんどでしたが、今回の135は正直言って、「
楽しさ」も感じました。
その最大の理由は、試乗車が
MTだったからだと思います。
冒頭にも書いたとおり、この135は、「
MTで乗ってこそナンボ」というクルマだと、しみじみ思いました。
売る方の立場とすれば「ATモデルも楽しいですよ!」というセールストークになるのは明らかですが、これほどオーバースペックなクルマでも、悔しいかな、「楽しい」と感じることができたのは、やはり「MT」だったからに他ならないでしょう。
このような比較的小型のクルマで、エンジンが直6で、それをMTで操る、という組み合わせは、他のメーカーのクルマでは、なかなか楽しめないBMWならではのドライビングプレジャーだと思います。
ちなみに、もし今日試乗した135が、MTではなく
ATだったら、「速いけど、あまりにオーバースペックだし、免許取立ての人でも、アクセル踏めば馬鹿ッ速く走れるんだし、しかも、エクステリア&インテリアもアウディには遠く及ばないしねぇ・・・」みたいな感想で終わったと思います。
それと、今回、135iを試乗して思ったのは、「走り」が好きで、既に「
335i」を買ってしまった人が、この135iに乗ると、恐らくその大多数の人はきっと後悔すると思いました(^^;
確かに
335クーペには、135には無い居住性がありますし、また、外観的なカッコ良さも、335クーペの方がかなり上を行っていると思いますが、とはいえ、運転が好きな人たちにとって最も重要な「走り」そのものという点に関しては、この135は、335より遥かに楽しいと思います。
もし、私が335か135のどちらかを選べ、と言われたら、迷うことなく135を選ぶと思います。
ただし、あくまで
MTであることが必須ですが(^^;
逆に、どうしてもATしか選べないという状況なら、ATでわざわざ135に乗るくらいなら、ワタシなら、アウディのTTあたりを選択すると思います。
それにしても、今日、135クーペに試乗して、改めて
クルマ選びの難しさを痛感しました。
というのも、昨日試乗したアウディA5の完成度が凄まじく高いレベルであり、走りという点でも、BMWにかなり近づいたという印象でしたので、「これからはアウディの時代かも」と思ったのですが、今日135に乗ってみて、「やっぱり、ドライビングという点では、まだまだBMWは凄い」という、BMWの
底力を垣間見たような気がしました。
クルマ全体の質感やデザイン・センスの良さ等で、アウディはBMWを完全に凌駕していると思いますが、でも、乗り比べると、やはりBMWの
ドライビングプレジャーの度合いは、まだまだアウディをリードしていると思いました。
例えば、アウディのスポーツモデルである
TTは、完成度が素晴らしく、そしてメチャクチャ速いですが、あまりにも誰でも簡単にドライビングできてしまう、という印象で、「ドライビングプレジャー」というものは、あまり感じず、むしろ「快適」な印象すらあります。
でも135は、まさに「これぞスポーツカー」という、緊張感とワクワク感が運転している間中、ずっと、存在しました。
エンジンフィーリング、ハンドリングという、ドライビングプレジャーを感じる上で個人的に最も重要と思われるその2点について、やはりBMWのレベルは世界屈指であると、改めて感じました。
さて、本日の結論ですが、135はさすがBMWという素晴らしいクルマでしたが、自分の「力量(腕)」を考えると、自分にとって、135はあまりにもオーバースペックであり、やはりサーキット等を走るためのクルマ、という印象ですが、もし135ではなく
125クーペが
MTで発売されたら、ちょっとヤバイことになるかもしれないと思いました(^^;
というか、別にクーペじゃなくていいので、ハッチバックモデルに125を出してほしいです(^^;

(↑ 135用オプション用品カタログ)